くうねるだす

信州大学4回生の自然派ブロガー。 おいしいものがすき。おさけも少々。

イケてる服装で登山をすることの致命的な欠点

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人の登山スタイルに口を出す気はないけれど、モノトーンの、ナウくてイケてるウェアで全身キメている若いハイカーを見かけると、いつもちょっとした違和感を覚えてしまう。
 
「リスクを考えた上で、その服装をしているのか」と。
 
リスクとは遭難のリスクであり、それを考えた上でそのウェアを選んでいるならば別にいい。ただ、リスクがあることに気づきもせずに、街着と同じ感覚で登山のウェアを選んでいるのであれば、「遭難したときの視認性」という考え方を知っておいてほしい。

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登山でカラフルな服装を選ぶ理由

なぜ登山用のウェアはカラフルな(そしてちょっとダサい)ものが多いのだろうか。ひとことで言うと、「遭難したときに少しでも発見されやすくするため」だ。山中において、緑やモノトーンよりも、赤とか青とか黄色とか、自然界に存在しない鮮やかな色の方が見つけやすいのは容易に想像できる。
 
登山をする人は時代遅れで色彩感覚がイケてないからとか、カラフルで目立つ色が好きな変人ばかりだからとか、そういう理由ではなくて、「遭難時のリスク」を考えた上でカラフルなウェアを選んでいる(例外はいるけれども)し、アウトドアメーカーも積極的にカラフルなカラー展開をする。
 
もちろん遭難しないことがまず大事なのは言うまでもないけれど、登山をしている限り遭難のリスクは誰にでもつきまとう。例えば、世界一の登山家として有名なウーリー・シュテック氏はGWにヒマラヤで高所順応中に亡くなってしまったし、女性初のピオレドール登山家・谷口けい氏も冬季の黒岳でトイレをするときに亡くなってしまった。
 
どんなに技術や経験を積んでも遭難する可能性があるのなら、遭難した時への備えをするのは当然のことだし、遭難から発見までの時間は短い方が絶対にいい。
 

全身カラフルなウェアで登山する必要はない

じゃあ、パンツから手袋にいたるまで(パンツは言い過ぎにしても、ベースレイヤーからミドル、シェルまで)カラフルなウェアで固めて登山するべきかといえば、そういうわけでもない。
 
それは、遭難するようなコンディションはおそらく悪天候でレインウェア(ハードシェル)を着用していると考えられるし、遭難して動けなくなったとしたら、寒くて防寒着やシェルを着るに違いないからだ。そんなわけで、僕はシェル(レインウェア・ハードシェル・ソフトシェル)と防寒着(フリース・ダウン)のジャケットは青のウェアを選ぶと決めている。
 
正直言って、このへんのさじ加減は人それぞれだから、自分で考えて選べばいい。
もし紫のズボンにクレイジーパターンのザックを背負ってオレンジのジャケットを着て、おまけにターバンなんかを巻いていれば、すれ違う登山者は間違いなく覚えてくれるだろうし、他のハイカーに覚えてもらうことは、遭難した場合の早期発見に役に立つ。めちゃくちゃ奇抜な服装で登山することも、戦略としては大いに「アリ」なのだ。やりたいかどうかは別問題だけど。
 

まとめ

「アウトドアのウェアは値段も機能性も高いから、せっかく買うなら街でも使えるデザインのものを選びたい」、そういう気持ちはよく分かる。というか僕自身そう思っている。だけど、だからといって何も考えずに黒のウェアを選ぶことにはそれなりのリスクがあるという事実に気がついただろうか。
 
遭難のリスクを下げるためには経験や技術ももちろん大事だ。だけどそれらは一朝一夕には身につかないし、ウェアの色選びだけで少しでもリスクを下げることができるのならば、こんなにコスパのいい手段は他にない。
 
一見すると時代遅れなスタイルやセオリーにも実はちゃんと理由があって、そういうことを意識し始めると、登山の幅はもっともっと広く、面白くなる。
 
とはいえ、アウトドアメーカーにはもうちょっとイケてる色使いのウェアを出してもらいたい、とも思うけれど。
 
それでは、良い山ライフを!
written by 南 蒼樹.