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台湾・南湖大山で登山するために必要な情報まとめ

2017年GWに自身初の海外登山として台湾で単独テント泊縦走してきたのだけれど、渡航前の準備や現地の様子について網羅された情報がほとんどなく、色んなサイトを漁って断片的な情報をかき集めることしかできなかった。

 

この記事では、そんな経験を踏まえて、僕が台湾で単独登山するうえで必要だった準備や情報について、思いつく限りまとめていこうと思う。

 

台湾の山と登山について

南湖大山東峰からみたカール

まず、台湾に登るような山があるのか?という話。実は僕も台湾=小籠包というイメージしかなかったが、実際のところ、台湾は最高峰の玉山(3954m)を筆頭に3000m峰を250座以上擁する登山王国で(ちなみに日本の3000m峰は21座)、登山は国民的にもメジャーなアクティビティとして浸透している。日本からの登山ツアーのほか、個人手配でガイドをつけずに登山することも可能だ。

 

また、日本の百名山のように「台湾百岳(すべて3000m峰)」や「台湾五岳(特に優れた5座)」・「台湾三尖(優れた尖峰3座)」といった細かなランクづけや、山々を繋いで歩くことができる縦走路も存在する。また、国立公園に属す山に登るには入園許可証が必要になる。台湾五岳を例にあげると、北大武山(3090m)以外はすべて国立公園に属している。

玉山(3954m)・秀姑巒山(3805m)→玉山国立公園

雪山(3886m)→雪霸国立公園

南湖大山(3742m)→太魯閣国立公園

 

狭い国土にこれだけの高峰がひしめいていることからも想像がつくように、山は急峻でアップダウンが多い。森林限界は3200m程度と、視界のひらける高度に出るまでにかなり時間がかかる。また、高山病のリスクもある。

 

台湾での登山には許可証が必要

台湾の国立公園の入園許可証

台湾での登山には警察に届ける入山申請(10日前ほどでOK。入山申請はこちら)に加えて、国立公園内の山に登る場合には国立公園の入園申請が必要だ。いずれもオンラインで取得できるけれど、入園申請はかなり厄介だ。

主にネックになるのは

台湾での連絡先(電話番号)が必要

台湾在住の緊急連絡先(名前、ID、住所、電話番号)が必要

・定員に達し次第打ち切りもしくは抽選

・申請時期は入山の4ヶ月前〜前日(国立公園によって違う)

・具体的な山行計画やメンバーが決まっている必要がある

という点。出国の数ヶ月前からアクションを起こさないと取得するのが難しい。

 

各国立公園の入園申請開始時期について

台湾の国立公園は雪霸(shei-pa)・太魯閣(taroko)・玉山(yushan)の3つで、それぞれの入園申請開始時期は以下の通り(変更される可能性があるので要確認。台湾国立公園のオンライン入園申請はこちら)。また、太魯閣については日本語の申請ページがない。

雪霸国立公園・太魯閣国立公園→1ヶ月〜1週間前

玉山国立公園→2ヶ月〜1週間前(一般申請)、4ヶ月前〜35日前(外国人枠)

申請開始日になったら出来る限り早い時期に申請することを強くおすすめする。

 

台湾在住の留守人の手配の手段をどうするか

台湾での登山を個人で手配するうえで最も高いハードルとなるのがこの留守人だろう。僕が留守人を頼んだ台湾の友人は、国立公園から電話で確認があったと言っていたので、適当な情報では乗り切れない可能性が高い。

手段としては

1. 台湾の友人・知人に頼む→最も簡単かつ手っ取り早い

2. 自力で探す→日本と交流を求める人が集まる掲示板などで探すなど。基本的に親日なので思うほどハードルは高くないだろう。

3. ツアーに参加する→個人手配や個人での登山にこだわらなければ、ツアーを利用した方がいい。

他に、留守人の用意を代行してくれる会社があるとの話も聞いたが、僕がザックリ調べた限りではたどり着けなかった。台湾での連絡先についてはプリペイド式のSIMを用意することで対応できた(simフリースマホを使っている人に限られてしまうけれど)。

 

台湾登山にかかる時間と登山適期

もちろん登る山次第だけど、台湾を代表するような3000m峰は山深い場所が多く、最短でも2-3日は必要になる印象だ。僕の登った南湖大山は3泊4日がオーソドックスな行程だった。

 

低山を含めれば年中登れるだろうけれど、冬には北部の高峰では雪が降るため(そして冬季の登山は入園申請が非常に厳しい)、五岳の登山適期は5-6月と10-11月とされている(夏は暑すぎて登山にならなさそうな印象)。

 

台湾の登山道と山小屋、テント泊について

登山道は国内のそれとほぼ同じ。石を3つほど重ねたケルンやテープ(赤・黄・白があった)、分岐点の道標も充実している。また、南湖大山のメインルートには100mごとに距離標があった。一方で中央尖山については、一般登山道としてはかなり難度が高い沢詰めルートだった(日本であればおそらく地図に破線で書かれるレベル)。コースタイムは日本の「山と高原地図」と同程度。

南湖大山の登山道にある距離標

山小屋は国内でいう避難小屋に近く、基本的に無人で食糧の補給もできない。寝るにはシュラフとマットが必要で、トイレと水場の有無も小屋による。浄水器や携帯トイレを持参した方が良いだろう。参考程度に僕が通った山小屋の情報は以下の通り。

雲稜山荘・南湖山荘→わりと綺麗。トイレ水場あり

中央尖渓山屋・南湖渓山屋→あばら家、ネズミ生息。トイレなし。水は眼前の渓流を利用

 

テントは南湖大山はどこでも張ってよいとのことだったが、平らでテントが張れそうな場所は小屋付近以外にはあまり見かけなかった。水場やトイレなど考慮すると、やはり日本と同じで山小屋付近に張るスタイルになるだろう。

 

登山口へのアクセスは山によって差がある

五岳などの有名な山であればアクセスは悪くないけれど、それ以外は公共交通機関でのアクセスは難しいようだ。南湖大山の場合、台北から電車で約1時間半の宜蘭まで移動し、そこから梨山行きのバスで2時間半で登山口に到達する。宜蘭からは雪山へもアクセスできる。

【宜蘭バスターミナル】運行時刻表

 

寒暖差が激しいため相応の服装を

緯度は低いけれど、5月頭の3000m峰は朝夜はかなり冷え込んで寒暖差が激しい。昼間は半袖で十分だが、夜はダウンが欲しくなるほど(実際、現地のハイカーはダウン着てた)。標高3000m以上では夜中は零度あたりまで下がることもあるようだ。

 

登山地図はネットや店頭で入手可能

国立公園のサイトにも地図があるし、ザックリしたものであればネット上で入手できる。僕は念のため北一段(南湖大山-中央尖山を結ぶ縦走路)の地図アプリを購入した。使い心地は微妙だった(ログ機能はかなりアバウト。現在地と方角の取得は問題ない)。

 

また、台北の登山用品店に、山と高原地図みたいな紙の地図も売っていた(北一段もあった)。品揃えは若干不安があるのであればラッキーくらいに考えておきたい。

 

台湾での登山道具は台北駅で

台北駅近くのアウトドアショップ

台北駅から東に徒歩5分ほどのエリアに、「登山友」を中心に登山洋品店が並んでいて、ガス他、必要な登山用品を入手できる。パタゴニアやアークテリクスなどのメーカー直営店もあった。

 

台湾で購入したバーナー用のガスカートリッジ

△僕が購入したガス(強力なやつ、と言ったらこれがでてきた)。160台湾ドル(約500円)。

 

持って行った方がいいものについて

浄水器

基本的に国内の登山装備で問題ないけれど、浄水器と携帯トイレの持参をおすすめする。湧き水は生で飲めると聞いたが、小屋の水を含めて基本的に煮沸か浄水が必要になるし、トイレのない山小屋もあるからだ。
 

 

まとめ:台湾は入園許可証は難関だけど、素晴らしい山旅ができる

だいたいこんな感じで網羅できただろうか。入園申請は少しハードルが高いけれど、台湾は人がとても優しく、山はとても魅力的だ。

僕が歩いたのは莫大な山域のほんの一部だけど、また時間をつくって他の山にも登ってみたい。

 

台湾の登山については関連記事をいくつか書いているので参考にしていただけたらと思う。また、もし台湾の登山(特に南湖大山・中央尖山)について質問などあれば、メールやツイッターからお気軽にどうぞ。

written by 南蒼樹(@Sight50Sky).
 

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