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登山の初心者に捧ぐ!後悔しないレインパンツの選び方

本格的に登山を始めるのであれば、まず揃えるべきもののひとつがレインウェア。
 
ただでさえ高いレインウェアを買うときに、「レインパンツ(下半身用レンウェア)は一番安いやつでいいよね」と安易なチョイスをしていないだろうか。
 
かつての僕がまさにそのパターンで、セールで安かったという理由で中途半端なレインパンツを買ったがために、痛い目にあった苦い経験がある。
 
この記事では、そんな経験も踏まえて、後悔しないレンパンツ選びのポイントを6つ紹介する。これさえ知っておけば、初めて見るレインパンツでも満足のいくものが選べるはずだ。

登山における「雨」と「風」対策の重要性

並べたレインパンツ

「ただのカッパがなんでこんなに高いんだ」と思ったことはないだろうか。結論からいうと、その答えは「登山では雨と風が死に直結するから」ということになる。
 
雨に降られて体が濡れた状態で風を浴びれば、例え8月の、2000mに満たない山域でさえ、体温は一気に奪われ、放置すれば低体温症で死に至る。
 
濡れた状態で風を浴びることは、登山では何としても避けなければいけない非常に危険なパターンで、その雨と風をシャットアウトしてくれるのがレインウェアなのだ。レインウェアは命を守るためのギアであり、また、アウトドアメーカーの技術の結晶とも言える。
 

レインパンツこそ「ベスト」なものを

レインパンツにこだわりを持って選んでいる登山者はそんなに多くない。だけど僕は、下手したらジャケットよりもパンツの方が大事なのではないかとさえ思う。
 

適当なレインパンツを選んで失敗した

「レインパンツは安いのでOK」。そんな考えを改めさせられたのが、2016年9月の涸沢カールへの山旅。
 
2泊3日で北穂高岳を狙った登山だったけれど、2日目の豪雨で鉄砲水が発生して登山道が崩壊。山の中に閉じ込められる恐怖を味わった。
 
結局なんとか下山することができたのだけど、ダボダボのレインパンツは歩きづらい上に、ベンチレーションがなくてレインウェアの内側は蒸れ放題。
 
汗と浸水した雨が混ざってペタペタと肌にはりつき、一歩一歩が不快そのものだった。下山した時には靴下の中までグチョグチョ。家に帰って速攻で新しいレインパンツを探した。
 

レインパンツ選びにこだわる理由

メーカーによってはジャケットしか作っていないこともあって、レインパンツの選択肢はそこまで多くない。しかも、どれも似たような見た目をしている。
 
だけど、登山は「足」を動かす運動だ。下半身は上半身の何倍も多く、ダイナミックな動きをし続けなければいけない。それなのに、足を覆うレインウェアが適当なものであれば、一歩一歩がめちゃくちゃストレスフルになる。そんな不快な状態で何時間も歩き続けるのは苦痛でしかない。
 
だからこそ、ベストなレインパンツを選ぶことは快適な登山をするうえで非常に重要度が高い。
 
前置きが長くなったけれど、そんな思いで、ベストなレインパンツを選ぶ上で大切な6つのポイントを書き連ねていこう。なお、重要なポイントから順に説明していく。
 

ダボつきのないシルエット

レインパンツを選ぶ上で最も大切なポイントは「シルエット」。
余分なダボつきは足元の視認性を下げ、時には余った布に足を引っ掛けて転ぶことさえある。
 
ダボつきが極力少なく、フィットしたシルエットのものを選ぶこと。
とはいっても、スキニーみたいにぴったりしたものを探す必要はない(というか、それ以前にそんなレインパンツは存在しないと思うけれど)。レインパンツはトレッキングパンツの上から着るものなので、そのくらいの余裕をみたうえで、極力無駄な生地のないものを選ぶことがポイントになる。
 

膝部分の立体裁断は絶対はずせない重要ポイント

膝やお尻の周辺が、曲げることを考慮してあらかじめ生地を曲げて裁断してあるものがある。立体裁断というものになるけれど、これはマスト。
 
立体裁断があって、サイズがちゃんと合ってさえいれば、足を曲げたり伸ばしたりするときのストレスは限りなく小さくなる。足の動きが激しい登山において、立体裁断がしてあるということは絶対に外してはいけないポイント。
 
ちなみに立体裁断はシルエットとも深く関係していて、立体裁断にしなければ、生地に余裕をもたせるために必然的にシルエットがダボつく。シルエットが綺麗なものは立体裁断だと考えても問題ないだろう。
 

裾まで開くベンチレーションとダブルファスナー

レインパンツのベンチレーション

個人的には、ベンチレーションのないレインパンツは速攻で候補から除外するべきだと思う。そのぐらいに、レインパンツにおけるベンチレーションの役割は重要だ。
 
雨の多い日本の登山は、蒸し暑い夏にレインウェアを着て行動しなければいけないことも多い。それに、下半身の筋肉を常に動かし続けるため、パンツの内部が蒸れて気持ち悪い。
 
これを解消するための換気システムがベンチレーション。パンツの横に窓のように開くファスナーがあれば、それのことだ。
 
ベンチレーションはできるだけ大きい方が換気量も多くなり、快適な歩行を強力にサポートしてくれる。ベンチレーションが裾まで伸びていれば、登山靴を履いたままでも脱ぎ着できるため、裾まであるものを選ぶことを強くおすすめする。
 
また、ファスナーが2つついたダブルファスナーのものを選ぶことで、ベンチレーションの大きさを調整しながら歩くことができる。
 

生地にストレッチ性があればなおよし

レインウェアという防水の生地はストレッチ性との相性が悪いため、防水かつストレッチという素材を使ったレインパンツはほとんど存在しない。
 
確かに立体裁断であればある程度カバーできるけれど、できるのであれば素材自体がストレッチ性を備えたものを選ぶことで快適性はグッと上がるはずだ。
 
個人的には必須なポイントとしたい重要事項ではあるけれど、現状、そのようなレインパンツが少なすぎるために「できれば」という条件付きでの紹介にとどめておこう。
 

レインパンツの裾の長さはくるぶしがベスト

街では足首が見えるくらいに短めのスタイルが流行っている今、同じ感覚でレインパンツを選ぶと絶対に後悔する。裾はくるぶしが隠れるくらいのものをチョイスしよう。
 
直立したときにくるぶし上までカバーできればいいと思うかもしれないけれど、その状態で膝をあげてみてほしい。引っ張られた裾はずりあがって、足首が見えてしまうはずだ。
 
登山をしているときはこの膝の上げ下げがあるために、直立したときにくるぶしの下くらいまであるものを選ぶこと。そうすれば、濡れもストレスも最小限で済む。
 

ポケットはなくても大丈夫

最後にポケットについて。
登山の初心者ほどポケットがたくさんあるモデルを買いたがるが、実際、レインウェアのポケットはほとんど使わない。ジャケットにポケットがあるならそれで十分だし、レインパンツには1つもなくても困らないからだ。
 
ポケットがなければそのぶん軽くなり、自由な足さばきができるはずだ。別にあっても問題はないけれど、ポケットがないことが理由でいい感じのレインパンツを候補から外そうとしているならば、その必要はないと伝えたい。
 

まとめ:良いレインパンツは雨の日の登山を快適にする

この記事で紹介した6つのポイントをしっかりとチェックしておけば、レインパンツ選びで大きなミスをすることはまずないはずだ。
 
レインパンツを含めた足回りのウェアは、歩く楽しさに大きく影響する。
ベストなレインパンツを見つけることができれば、心が沈みがちな雨の日の登山でさえ、快適で楽しいものになる。ぜひ「レインパンツだから」と安易なチョイスをするのではなく、ベストな1本を探してみてほしい。
 
written by 南蒼樹(@Sight50Sky).