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登山者なら知っておきたいパッキングのコツを総まとめ!

パッキングは、登山をする上でとても重要なテクニックのひとつだ。

 

考え尽くされた適切なパッキングは歩行をグッと楽にしてくれるし、滑落や低体温症などの登山のリスクを下げることにもつながる。それでいて、お金をほとんどかけずに家で簡単に身につけることができる、極めて費用対効果の高いテクニックだ。

 

この記事では、パッキングの基本的な考え方からテクニカルなコツ、そして具体的な手順までを網羅して解説していく。 

登山におけるパッキングのメリット

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パッと思いつくものをあげると

・バックパックが軽くコンパクトになる

・歩行のバランスが良くなる

・必要なときに欲しいものが素早く取り出せる

・木の枝などに装備が引っかかってバランスを崩すリスクを下げられる

・容量違いのバックパックをいくつも揃える必要がなくなる

作業自体はとても地味だけれど、実は山好きにはたまらないメリットが盛りだくさんだ。

 

パッキングの4つのポイント

パッキングは大きく4つのポイントに分けられる。

・装備のコンパクト化

・バックパック内の荷物の配置

・パッキングのコツ

・パッキングの手順

それぞれのポイント単独でも、ハイカーにとって十分に意味のあるトピックとなっているので、必要に応じて読み進めてほしい。

 

装備の見直しがコンパクトなパッキングへの最短ルート

コンパクトなパッキングをするための近道は、各装備の軽量化とコンパクト化だ。手段は3つ。

・よりコンパクトなギアに買い換える

・荷物を減らす

・不要な部分を取り除く

 

よりコンパクトなギアに買い換える

装備の買い換えはお金がかかるけれど、最も簡単に荷物をコンパクトにできる手段だ。例えば僕はシュラフ(1000g→760g)とマット(800g→400g)を買い換えたことで640gの軽量化ができ、サイズは元の半分以下に抑えることができた。

物を大切に使うのは良いことだが、装備を一新することで登山がグッと快適になることも多いのもまた事実。

 

荷物を減らす

持っていくべき荷物をもう一度疑おう。シャツ1枚から防寒ウェアに至るまで、本当に必要なものだけを、シーズンや山行スタイルに合わせて厳選する。

例えば夏の1週間のテント泊縦走で毎日水場を確保できるのであれば、着替えはシャツとパンツ1枚、靴下2枚もあれば十分だ(山のなかで水洗いして使い回す想定)。

 

無駄な部分を取り除く

これは少々面倒でチマチマした作業になるけれど、山旅が長くなればなるほど重要になる。チリも積もれば山となる、だ。

 

例えば、食料のパッケージの無駄を省く。商品が潰れないように封入された空気さえ無駄。時には開封して押しつぶし、時には中身をそっくり移し替える。僕はあんぱんはペチャンコにするし、ポテチは粉々に砕いてジップロックに移し替えてしまう。

▽before

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▽after

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無駄なパッケージを減らせば、ゴミも減る。一見地味に見えて、実はかなり有効な手段だ。食料以外の荷物にも無駄な空気は含まれるし、この作業はやればやるだけバックパックの有効スペースを増やすことができる。

 

バックパック内での荷物の最適配置

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僕は「バックパックのどこに何を入れるか」をある程度決めている。荷物の配置を決めてしまうことのメリットは

・どこに何があるか把握しているので、いつでも素早く欲しいものが取り出せる

・どこで何度パッキングしても質が変わらない(家でピッタリ収まった荷物は、山小屋でもテントでも同様にパッキングできる)

という2点。

 

そして、荷物の配置を決めるのは実は超簡単。パッキングのセオリーに素直に従えば、だいたいの荷物の配置はほぼ自動的に決まるからだ。重要なセオリーは3つ。

・重いものはバックパックの上の方/体の近くに詰める

・使用頻度の高いものは取り出しやすい場所(雨蓋やウェストポケット)に収納

・長いものや独特な形のものは外付けする

 

これらを考えると、荷物の配置はこんな感じになる(2気室のバックパックで夏山テント泊を想定)。

雨蓋・サイドポケット・ウェストポケット(行動中に使うもの)→水・行動食・地図・ザックカバー・日焼け止め

メインスペース上部(休憩中に使うもの/重いもの)→昼食・水・クッカー・ソフトシェル

メインスペース下部(山小屋やテントの中で使うもの・かさばるけど軽いもの)→防寒着・シュラフ・マット・着替え・翌日分の食料

サブスペース(天候急変時・山小屋についてすぐに使うもの)→テント・レインウェア・ファーストエイドキット

外付け→テントのポール・ソーラーランタン

 

テントと着替えの位置を入れ替えることもあるが、ほぼ毎回このパターンになる。バックパックのどこに何をいれるか決まったら、あとは重いものが背中の近くに、重量バランスが左右均等になるようにパッキングしていくだけだ。

 

パッキングのテクニック

コンパクトなパッキングを実現する上で最も大切な考え方は「バックパック内の無駄なスペースをいかに減らせるか」の一言に尽きる。それを実現するための具体的な方法を紹介しよう。

 

まず大きい荷物からパッキングし、隙間に小さいものを詰める

パッキングの基本中の基本。もし小さいものから詰めた場合、あとで大きいものが入る余地がなくなってしまう。

 

大きいもの=テント・シュラフ・マット・着替え・水

小さいもの=バッテリー・エマージェンシーシート

テント・シュラフ・着替えをまずパッキングして、できた隙間にバッテリーやエマージェンシーシートを詰めていくイメージだ。

 

形の変わらないものは形の変わるものに埋め込む

ひとつめのテクニックと似ているが、形の変わらないものによってできたスペースに、形の変わるものを詰めて無駄なスペースを埋めて行く。

 

形の変わらないもの=クッカー・ペットボトル

形の変わるもの=防寒着・タオル・食料

 

円筒形を活用してバックパックの無駄なスペースを埋める

登山において、コンパクトなパッキングに最も適した形は「円筒形」。それは、バックパックの収納スペース自体が円筒形をしている上に、テントやシュラフ・クッカーといった登山用品の多くが円筒形だからだ。

円筒形のものをいくつか詰めたとき、その間には縦長のスペースが生まれるわけだけれど、そのスペースを上手く埋めてくれるのは円筒形で、正方形では埋められない。

 

だから、形の変わるものは積極的にクルッと丸めて円筒形にして、隙間にどんどん突っ込んでしまう。円筒形なら詰めるのも取り出すのも楽チンだ。

 

スタッフサックは最小限に抑えよう

ちょっと脱線するけれど、「スタッフサックを使ったパッキングこそが至上」みたいな風潮は間違っている。スタッフサックは必要最低限に抑えるべきだ。理由は、全てをスタッフサックに入れてしまうと、荷物は中くらい〜大きい塊になってしまうからだ。これでは「無駄なスペースを減らす」ことはできなくなってしまう。

それに、スタッフサックを使うことは「荷物を増やす」「重量を増やす」というデメリットがあることを忘れてはいけない。

 

僕は着替えやダウン製品などの濡らしたくないものをまとめるためのスタッフサックを1つ、あとは食料系(といっても細かい調味料だけ)とファーストエイドキットをそれぞれまとめるくらいで、残りの荷物は結構バラバラにしている。その方が、結果として荷物をより軽く、コンパクトにパッキングできる。

 

雨蓋やポケットでちょい足しパッキング

飲み物や行動食・地図などはいつでもサッと取り出せる場所にパッキングした方が便利だから、バックパックの本体には入れずに雨蓋やウェストポケットに収納する。そして、バックパックのメインの収納スペースに荷物が収まりきらないときにはその他のポケットを有効活用しよう。ポケットをフルに活用すれば、プラス3食分くらいの荷物はパッキングできる。

 

パッキングの手順

以上の点を踏まえて、実際のパッキング手順を説明していこう。カリマーのリッジ40という40Lバックパックに、8日分のテント泊縦走の荷物(2人用山岳テント・食料25食分・水2.5Lを含む)をパッキングしていく。

 

1. バックパックのストラップを緩める

まずパッキングをする前に、バックパックのストラップを緩めておく。これをしないと入るものも入らない。

 

2. サブスペースには軽くてかさばるものを詰める

サブスペース(2気室の下の収納スペース)からパッキングしていく。サブスペースにはテントなどのテント泊装備を入れるという使い方もあるけれど、今回は円筒形でない荷物(着替え・エマージェンシーシート・グラウンドシート・ペグ・ファーストエイドキット)をサブスペースに収納してしまうことで、メインスペースの荷物を円筒形に統一し充填率を上げることを心がけた。

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スペースが余っていたのでアルファ米をいくつか追加し、最後にレインウェアを詰めてファスナーを締める。サブスペースには基本的に使用頻度が少なく軽いものをパッキングするが、外側(ファスナー側)はアクセスが良いので、レインウェアやファーストエイドキットなど、素早く取り出す必要のあるギアをパッキングするのがよいだろう。

 

3. メインスペースでは円筒形を意識してパッキング

メインスペースにはテント・シュラフ・水・マットをまず入れて、できた隙間にはタオルやジップロックに移したカレーメシなど、円筒形を意識して無駄なスペースを潰していく。次の大きい荷物を入れるまえにどれだけ無駄なスペースを減らせたかがキーポイント。

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最上部にはデリケートなサングラスと重いクッカー、サッと羽織れるソフトシェルをパッキングしてメインスペースも完了。ちなみに今回はメインスペースから溢れそうなほどパンパンに荷物が入っているが、雨蓋のストラップで調整すれば問題ナシ。 

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4. 雨蓋やポケットを使ってちょい足し

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地図や行動食は雨蓋やウェストポケットに。この日は道中でコンビニに寄って2食分ほど買い足す予定だったけれど、雨蓋にはゆとりを持たせることで追加の荷物もすっぽり納めることができた。

 

5. 外付けをしてストラップを締める

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サイドポケットの片方には行動中の飲み水(道中で調達予定)、もう片方にはテントポールをパッキング。最後に各ストラップを締めて完了だ。

 

まとめ

山行スタイルによってパッキングすべきギアや防水対策は変わってくるけれど、基本的な考え方は変わらない。この記事で説明したポイントを抑えれば、一般的なハイキングから長期の縦走にわたるまで、一通りの登山をカバーできるはずだ。

 

今回はエアー式のマットを使ったためバックパックの中に収納したが、クローズドセルタイプ(the マットという感じの、でかくて軽い銀マット)のマットはバックパックの下か横に外付けした方がいいだろう。

また、難度の高い道を歩く時は、行動水を含めて外付けは極力減らし、全てをバックパック内に収納するつもりでパッキングすることが必要になる。状況に応じたパッキングができれば、一歩上達した登山ができるようになるはずだ。

 

最近はツイッターの運営に力を入れていて、登山に関する情報も集中的に発信しているので合わせてチェックしてみて欲しい。

written by 南蒼樹(@Sight50Sky).